歯科治療理念

患者さんの口の中を治療していると、患者と歯科医師の信頼関係の大切さを痛感します。手放しの信頼が得られれば、治療は半分成功したようなものと言っても過言ではありません。でも、見ず知らずの人間を一方的に信じろと言われても無理ですよね。

どうして歯科医師をしているのか?  治療を通じて、自分の存在理由を確認したいのです。「ありがとう!」と言って喜んでくれる顔を見ながら、社会に貢献できれば最高です。

ただ、それが一見遠回りであっても、またどんなに困難であっても、患者さんにとって本当の意味で必要な治療でないと意味がないと思っています。病気には、必ず原因と、その結果として生じた機能障害(歯が痛いとか、食べられないといった事) があります。機能障害はつらいですから、患者さんが求めているのは、この機能障害の改善です。しかし、患者さんの希望する機能障害の改善だけにとらわれて、安易な、うわべだけの、その場しのぎの治療でごまかしてしまうと、原因はまだ口の中に残っていますから、長い目で見ると、どんどん悪くなってしまいます。

口腔内の病気の原因は、相互に、複雑に絡み合っています。患者さんにとって、本当に必要な治療が何であるかをきちんと説明する事。そして、順序正しく包括的に   (口腔内を一つの器官ととらえて総合的に)  治療していく事が、専門家としての役割だと思います。

10年後に ありがとう!といってもらえる様な、あるいは 10年前に来ていればよかった!と言ってもらえるような歯科医院でありたいと思っています。